成功する人は偶然を味方にする [読書感想文]
Success and Luck: Good Fortune and the Myth of Meritocracy
- 作者: Robert H. Frank
- 出版社/メーカー: Princeton Univ Pr
- 発売日: 2017/09/26
- メディア: ペーパーバック
翻訳タイトルの「成功する人は偶然を味方にする」と言うのはクランボルツ教授の「その幸運は偶然ではないんです!」をどうしても連想するので久々プランドハプンスタンスセオリーについて読み返したので、結果的に一冊で二度おいしい読書体験が。ビジネス本や自己啓発本は読んだそばから売ってしまうのですが、本書は手許に残しておきました。
しかし結論から申し上げますと、この二冊の内容にほとんど関連性は無いと言う。つまり「成功する人は偶然を味方にする」と言う邦題はちょっと前に新書で流行った「何故~は~のか?」の様に出版社サイドからの手に取らせる為の仕掛けであって、原書タイトルの「SUCCESS AND LUCK」により近い副題の「運と成功の経済学」の方が正しい本来あるべき邦題だったと言う。
邦題ですと何やら自己啓発本かと勘違いしてしまいますがそうではない、成功した人は成功を己の努力や実力の賜物だと思いがちですがその要素よりも実際は運の占める割合の方が高いという内容です。先進国に生まれた・親が教育のある人だった・良い環境で育った・大学入学や就職試験の際に偶然上手くいったと言った運の要素が非常に大きかったのが原因であると言うある意味身も蓋も無い内容です。