千ベロの聖地「立石」物語 もつ焼きと下町ハイボール [読書感想文]
1月に日経新聞朝刊を読んでいたら著者自身が立石を紹介する記事が載っていたので記事中で紹介していた本書をすぐ買い求めた次第。しかしちょうど私自身の繁忙期が来てしまい紹介するのが3月末になってしまいました。とは言え23区で皇居を挟んで対角線上に暮らす私にとっては葛飾区は遠くてほぼ知らないエリアです、本書中にある通り京成線沿線ですので都営浅草線経由でアクセスは良いか。
京成立石には2019年にアクアドルフィンランドに行った際「呑んべ横町」は中を歩いた記憶があります。当時既に再開発の立ち退きが始まっていた様な?著者の谷口榮氏は葛飾区の職員で学生時代に葛西城の発掘作業を手伝いそのまま葛西城がライフワークななったような人。もしかして?と思い以前紹介した「葛西城とその周辺」を読み返してみると共同執筆者の一人だった。葛飾区の職員と言う事は「葛飾区郷土と天文の博物館」の展示も担当していたんじゃないかな?2020年に展示を入れ替えるまでは葛西城についてかなり掘り下げて紹介していたので、それを見て書籍を買い求めた位に面白かった。
などと著者と意外な接点があったと言う。読めばわかりますが生まれも育ちも葛飾柴又ならぬ立石な著者が子供の頃の思い出話から上梓時の2021年までの京成立石周辺についての話が語られています。と言うのはご多分に漏れず立石駅前も高層の複合ビルを建てる再開発計画があるので本文中に登場する昭和レトロなアーケード商店街や呑んべ横町が現状どうなっているのか?そしてこれからどうなるかは不明です。
さて、考古学が専門の谷口氏が考古学的アプローチで京成立石駅周辺の飲み屋を解析する。とご本人も書いていますし確かに有名店の食器類のサイズを計測したりはしていますが、本当に読めばわかりますがご本人の独断と偏見で好きに書いてある。大田区民としては蒲田も飲み屋街として有名ではあるがやはり立石は別格とか書かれているのに引っかかりますが、過去に何冊も読んだ事がある居酒屋論の本での定石通りにこんな感じで好き勝手書いてくれた方が楽しい。
本書を読むとそのボール(焼酎ハイボールの事)ともつ焼きを味わいに行ってみたくなりますが、すっかり観光名所と化して行列していると聞くとそこまでして行きたくもないかな。子供の頃に白モツの串を小遣いで買って食べた話を読んで私も食べたなと。私の場合は母親の買い物についていくと時々お土産専門の焼鳥屋で何本か買ってくれて、その中で一番好きなのが白モツだった。親はレバーを食べさせたがっていたけれども。有名店舗の各店についてお薦めや定番の紹介に昭和の昔は喫煙OKで客は全員灰も吸い殻も床に落としていた思い出話など居酒屋本が好きなら堪らない一冊。
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