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葛飾区郷土と天文の博物館 (葛飾区白鳥) [郷土博物館]

 2016年の秋に行った葛飾郷土と天文の博物館が2020年の11月にリニューアルオープンしたと聞いてそれならば是非行かないとな。私的に都内の郷土博物館ではトップ3に入るんじゃないか?と言うお薦めの施設だったので何がどう変わったのかなと?私は見た事有りませんがこちらはプラネタリウムが併設されていて、都内じゃ他に中央区と府中市しかない。それよりも利根川の東遷やカスリーン台風からの江戸期以降の治水やら葛西城に興味を持ったのもこちらの展示からなので。

 所在地はお花茶屋なので水戸街道から行った方が良いのですが、最近南葛西の町中華にはまっているので昼食後に環七を北上。曳舟川親水公園沿いの目的地へ、晴天ですが北の空が真っ黒なのと風が強いので帰りに出たら雨が降っているかもなと思いつつ正面左手奥の駐輪場に原付を停める。入ると先ずはアルコール消毒をして体温測定後に連絡先を書いてから入館料100円を支払う、あわよくばプラネタリウムもと思いましたが入場制限をしている上に予約で今日の分は埋まっているそうで断念。
ドームがプラネタリウム
 1階右手に図書コーナーがあるので少し覗いてから隣のカウンター兼売店も覗きますがめぼしい物は置いてなかった、区立の施設だから冊子類は期待しても仕方ないか。1階中央奥に超巨大熊手があり右手の階段を上がった2階が郷土博物館です、それよりも上がると目の前にフーコーの振り子が相変わらず元気に動いている。


 展示室は白を基調としたガラスのショーケースが並ぶバリアフリー空間にチェンジ、以前は前半が肥船で後半は葛西城と言う展示が好きだったのですが良く言えば無難で悪く言えばヘッドライン的展示になってしまっている。改装前の展示では例えばカスリーン台風は小さなブラウン管で動画を再生していただけに設備を刷新したかったのでしょうけど。
所在ない肥船
 そんな動画再生も展示室に入っていきなり液晶テレビを6つ繋げた大きなスクリーンで縄文海進やら水害動画を上映するところまで近代化、学校の授業で来て児童は床に体育座りして話を聞く事が出来る様に通路も広め。発掘した土器の実物(なぜか市区町村立博物館は本物を展示して県立以上は大体レプリカの展示になる)を見つつちょっと古代は弱そうな葛飾区の事情を学習。

 土師器と須恵器が縄文土器と並んで展示されているかと思えば天目碗が並んでいますが古代の東京なんて集落があったのは府中エリアか現品川大田の荏原郡位だし、と言う事で鎌倉期以降は葛西氏の支配地域だったと言う曖昧な説明から葛西城の解説へ。改装前は環状七号線の工事に伴い発掘調査された葛西城址からの出土品や斬首されたらしい女性の頭骨やら濃密かつ面白い展示だったのですが何だか簡単かつ無難に。

 改装前は尖っていたのを教科書の記述通りの展示にしてしまったのだなと言う印象、小学校社会科の副教材的な使い方としては間違っていないのでしょうけど。前は小学生下ネタ全開な肥船やら戦国武将に古戦場と言った歴史ロマン満載な葛西城を突出して展示していて、それがきっかけで地域の歴史に興味を持ってもらえば良いと言う一点突破型展示だったのが総花型になってしまいこれでは学校カリキュラムとして児童は通り過ぎてしまうだけじゃないかな?すいません教育関係者でもないのに偉そうな感想です。

 と思ってしまう改装前は目玉だった1/2スケールの大きな肥船模型の所在の無さ。それでも堀切菖蒲園だけで1つのコーナーになっているのは前回見落としたのかな?児童にどう関心を持たせるかは引率教師の情熱と力量次第なのだろうから菖蒲園で共同研究させても良いのでしょう。個人的に前回の私に刺さったのは利根川の東遷とカスリーン台風だったのでその展示が簡単になってしまったのは納得がいかない。

 真っ白かつバリアフリー化されたのは主に前半部分で後半の農村部の暮らしや昭和の工場町部分はそれほど変わっていないんじゃないかな?葛飾の稲作は湿田だったそうで田んぼでレンコンも作っていて湿田ならではの農機具も展示。食品サンプルは23区内でも平成まで農村部では伝統的なハレの料理も食べられていたのだなと感心させてくれる。葛飾ブランドだった「東京ふのり」なんて先ほどの堀切菖蒲園位は掘り下げて展示出来るんじゃないかな?もったいない。
このモーターで全ての動力を賄う
 その先にある昭和の暮らし再現の民家は都内の郷土博物館なら大体何処にでもあるのですが、土間にケトバシと呼ばれるペダル操作のプレス機が置いてある住居兼工場とその向かいにある完全に工場と言うのは葛飾区くらい。ちゃんと天井付近にあるモーター1台からベルト駆動で工場内にある工作機械の動力賄っていたり作業場の足元にアンカが置いてあったりと芸の細かい展示、ちゃんと作動油の臭いもして私の生まれ育った町でも工場が点在していたのでちょっと懐かしいです。

 最後の昭和のオモチャコーナーはモンチッチに占領されていて、何故だかここ数年来葛飾区のモンチッチ推しが凄いのは何だろうか?製造工場が区内にあったならばそう言う展示もありそうですがそんな展示は一切無いですし。町工場で展示は終了、案外一般客が来るのはプラネタリウムの帰りに展示をざっと見る親子連れがほとんどですが近隣のニューファミリーと思しき若夫婦もチラホラ来る施設。展示が薄くなったと言いましたが何かが刺さって興味を持てば良いんじゃないかな?私なんて前回来た結果葛西城の新書を買ってしまった位。
なぞのモンチッチ

葛西城とその周辺―葛飾区郷土と天文の博物館地域史フォーラム

葛西城とその周辺―葛飾区郷土と天文の博物館地域史フォーラム

  • 出版社/メーカー: たけしま出版
  • 発売日: 2021/04/27
  • メディア: 単行本

葛飾郷土と天文の博物館
https://www.museum.city.katsushika.lg.jp/


タグ:お花茶屋
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