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利根川民俗誌 [読書感想文]


利根川民俗誌

利根川民俗誌

  • 作者: 筒井功
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2010/01/01
  • メディア: 単行本

 以前「利根川図誌」と言う本を紹介しました。読んだと言うのもおこがましく活字を目で追っただけでした、流石に利根川流域の地理に明るくないと何が何だかですよ。その岩波文庫版の利根川図誌は柳田國男が校訂しているとか、確かに前書きはしていたと思う。本書の著者曰く利根川図誌を記した医師の赤松宗旦の子孫と柳田國男は交流があり、また利根川図誌を読み込んでいたからこれ以上の適任者はいないそう。著者の方も利根川流域に40年以上暮らしているとかでそれなら本書を片手に見て回る事も出来るだろう。

 「利根川民俗誌」としては利根川図誌を解説したり現状報告はしないつもりだと言いつつもそうなっている部分が多いと思う。利根川図誌がそれだけ強烈であるのと岩波文庫版を手掛けた柳田國男の存在が大き過ぎるのでそこは仕方ない。書籍は「著者の体質、趣味、関心のありか」の制約を受けると著者が言う通り、この方は他に差別関連の著書が多いので利根川図誌で採り上げた文物についてそっち方面からの解説を入れて深掘りするのは為になります。

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