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のらぼう菜: 太茎・多収のコツ [読書感想文]

 何だこのムック本は!?

のらぼう菜: 太茎・多収のコツ

のらぼう菜: 太茎・多収のコツ

  • 作者: 高橋孝次(高ははしごだか)
  • 出版社/メーカー: 農山漁村文化協会
  • 発売日: 2020/09/30
  • メディア: 単行本

 3月14日日曜日の朝に普段通りTVKの「神奈川旬菜ナビ」を見ていたら普段と違う調子で番組が始まり、本書の紹介と共に著者の 高橋孝次氏が昨年亡くなったので今回は追悼番組としてのらぼう菜を紹介しますみたいな調子で進行して何かと。本書が昨年秋に上梓されたのでその直後だったのかなと、思わずその場で注文した次第。のらぼう菜が売られているのは何度か見た事はありましたがまさか単行本になっていたとは知りませんでした。

 ムック本とは言え高齢の今までに執筆経験の無さそうな農家の方に丸投げして大丈夫?と言うのは実は複数執筆者で何となくフォローしている。いや高橋氏は高校卒業して教員免許を取得するも家庭の事情で家業の農業を継いだ方で、その後ものらぼう菜で地域の学校で授業をしたりと全くの素人では無いです。と言うか版元の農村文化協会と言うのは「現代農業」と言う雑誌を出版しているところじゃないか。現代農業は出版不況の只中で頑張ってるなと常々感じています。


現代農業 2021年 05 月号 [雑誌]

現代農業 2021年 05 月号 [雑誌]

  • 出版社/メーカー: 農山漁村文化協会
  • 発売日: 2021/04/05
  • メディア: 雑誌

 本書の売りは裏表紙の写真の通り団地の脇にある小さな畑で結構な現金収入を上げていると言う事でして、東京・埼玉や神奈川の在来種であるのらぼう菜でどうやって売り上げを上げるか?と言うのがタイトルの「太茎・多収のコツ」です。しかし、のらぼう菜農家やこれからのらぼう菜の栽培を考えている農家が本書を読むのか?と言うのはかなり謎です。だからか?のらぼう菜を話のマクラにして高橋氏が色々語ると言う流れになっています。

 ですので教員の道を諦めて家業を継いでから梨に養鶏に花卉と言う変遷を経て昔から栽培していたのらぼう菜一本にしぼるまでの歴史なぞも大事。そののらぼう菜とはアブラナ科の植物で元々は灯火用の油を採取する為に栽培されていて農家では食用に自家消費もしていたのらぼう菜を他所の農家でも栽培していた事をしり地域の特産品として盛り立てていこうと言う流れに。

 のらぼう菜の栄養価や歴史に料理レシピと言った部分はそれぞれの専門家が執筆していて、その部分のレイアウトは現代農業ぽいかな。タイトルの「 太茎・多収のコツ」は実際具体的な記述がありますがこれは実際に栽培していないと役に立たない、プランター栽培のやり方も書いてあるので挑戦しても良いのでしょうけど。冬の野菜なので虫の食害は発生しづらいと言う意味ではベランダ栽培も水やりだけしっかりしておけば大丈夫なのかなと。

 小学校での授業風景や先祖伝来の民具を展示した郷土資料館を自宅敷地内に開設したと言うのは興味を持ちましたが亡くなった後も続けているのやら?元々学校教育用でふらりと見学出来る風でも無いのでしょうけど。のらぼう菜を切り口に戦後川崎北部の都市農業史とでも言うべき一冊で東京近郊の郷土史に興味のある方なら読んで損はしない一冊ですよ。


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