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東京都水道歴史館 (文京区本郷) [郷土博物館]

 日曜日、毎週社会科見学ばかりやっているわけにもいかず昼間はお勉強。片付いたのででは社会科見学に行こうか、御茶ノ水駅前を抜けて順天堂大学が外堀通りに並ぶエリアを裏道へ。目的地にはどうやって行けば?と思ったら電柱の巻き広告が水道歴史館への案内だった、矢印に従い進み正面左手の駐輪スペースに原付を停める。入ると右手に受付がありお姉さんがしおりをくれて音声ガイドも貸し出しますと言うのはご遠慮申し上げる、順路としては2階が江戸時代で1階が近現代だから上から廻れとな。

 2階に上がるといきなり木樋と言う木製の水道管が、館名の通り東京の水道の歴史なので東京の前身の江戸から話がスタート。音声ガイドを順に聞けば良かったのかな?案外来場者が多くて年配カップル(夫婦)は大体レンタルしては順番に廻っているので借りた方が良かったかな、と言うより想定通りな子連れ親子ばかりではなく偏差値高そうな若いカップルも何組か。大学が近くに有るから東大生だろうか?それとワイシャツ姿のリーマン風おじさんもポツポツいて、移動の時間調整にでも使っているのだろうか?
江戸時代の上水道管


 2階展示の前半は発掘品の木樋ですね、江戸から東京に変わって当時の上水道の上にビルを建てていたのが昨今の再開発では地下まで掘り進むのでそうすると江戸時代の上水道管が発掘されるらしい。江戸の街並みと言えば未舗装の道路と木造家屋なんですが、実は当時既にその地下には上水道管網が張り巡らされていたと言うのだからビックリです。古代ローマ水道みたい、ローマは石の水道でしたが日本ではそれを木で組んでいるのが何とも。ローマ水道と言えば水道橋ですが、江戸にも現水道橋の辺り等に木造の上水道橋が架かっていたとか。

 玉川上水の整備なぞは簡単なアニメで紹介していましたが、そう、上水が整備されていたのは知っていたし木樋で町内に上水を送っていたのは知識として持っていましたがまさか現代と同じく地下に水道管を通していたとは思わなかった。なので江戸の長屋の社交場である井戸端と言うのも実は井戸ではなく上水道の汲み上げ施設だったとか、コレは以前読んだ本に載っていましたが、上水の所と井戸の所があり井戸に比べて上水は水がぬるくて不味かったらしいけど。

 ところが八代将軍吉宗の代に水道網が江戸の地脈を切断しているとか注進する儒学者がいて、上水が廃止されて以後は井戸に頼ったり桶を担いだ水売りから買ったり水を積んだ舟から買ったりしたと言う何ともバカな話に。展示の後半には江戸の長屋が再現されていましたが、深川江戸資料館あるからなあ。大江戸博物館にも微妙な再現長屋が有りましたがね、井戸端にモニタがありそこで小咄を見たり出来る。私が見たのは当然?銭湯の話ですが湯を換えないから濁って汚いとか何とか、燃料も水も貴重な江戸ですからね。因みに江戸時代の水道料金の話もありました。

 下に降りると近現代の上水道、因みに下水の話は一切無いので、アレは別の施設が詳しかったかな。明治維新で江戸の町の木製上水道網を管理する人がいなくなり、傷んだり下水が混入した挙句にコレラ大流行を受けて、明治政府がヨーロッパ式の金属製水道管に切り替えたとか。一部はそのまま昭和の終わりまで使い続けていたそうで、やはり地下に埋設する物はそうそう刷新しないんだな。「馬水槽」なる物のレプリカが展示してありましたが、馬用と人間用の浄水設備に加えて地表近くに犬猫用の水飲みまで整備してあるのが良いね。
明治と現代の水道管
 浄水施設も江戸時代の玉川上水そのままではなく、現新都心な新宿の淀橋に浄水場を整備して東京に給水したとか。しかし震災に続く戦災で上水の漏水率が80%達したのを復旧、今年2018年は西日本豪雨や北海道の地震で断水したので昔も今も変わらないなと。災害に強い伸縮や折れでも断水しない水道管の展示もしてありましたね、昭和39年東京オリンピックの年の夏にも東京の水ガメが干上がった事があったそうで2020年は大丈夫だろうか?戦前に計画されていた小河内ダムの完成に加えて、江戸時代来の多摩川水系一極集中を改めて、利根川・荒川・相模川にも分散させたりと東京の上水道も進化しているなと。

 展示の最後には上水道の整備とそれに伴う都民一人当たりの一日当たり水の消費量の伸びが紹介されていて、コレは家庭に風呂が整備されたのが大きいんじゃないだろうか?最後に水飲みがあり、そこの水は「東京水」だそうです。東京水て駅の自販機で売っていたりで何だ?と以前から思っていましたがオゾン処理や活性炭吸着処理をした高度浄水処理なんですと、風邪を引いているので美味しく頂いたけど違いは正直不明。帰宅してしおりを読んだら屋外展示も有ったそうで全然気が付かなかった、3階の図書館も見忘れたし。そもそもお茶の水と言えば江戸の始めに天下普請で開削されたエリアなので神田上水と所縁のある地域なのだよな。
正面

東京都水道歴史館
http://www.suidorekishi.jp/



タグ:お茶の水
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