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いわき市石炭・化石館 ほるる (福島県いわき市常磐湯本町向田) [郷土博物館]

 アクアマリンふくしまを見学後車に給油して6号線に戻り湯本を目指す、駅を左手に見つつ通り過ぎると右手に鉄のやぐらと蒸気機関車が見えて来てそれが本日2箇所目の目的地である「ほるる」ね。15時半到着でもうガラガラだと思いきや駐車場が満杯でこんな地味な展示が何で人気あるのか?受付でまたもやJAF会員証を提示すると650円が団体扱いの580円に、年間割引を千円分位は使っているかもしれない。

 左手の今日の日付入りフタバスズキリュウと抗夫の像を見つつ入場、するとアポロ計画の企画展をやっていてこれが盛況の理由か。頭の上にはニタリクジラの骨格標本が吊るされていてこの辺商業捕鯨もやっていたものね、しかし恐竜の化石があるのも気になる。展示室に入るとクジラから恐竜まで骨格標本だらけ、確かに炭鉱跡だけじゃ学校の社会科の授業でしか来ないか。巨大標本は複製品や海外からの購入品が多いですがいわき市は化石が多数見つかっているから別に客寄せパンダでもない。
角付の三葉虫
 昨年行った「いわき市考古資料館」にも化石の展示があったかな?三葉虫の化石で角部分?を見事掘り出した執念には感動、周囲の土を薬品で溶かすんだっけ。複製とは言え巨大なマメンチサウルスの全身骨格とか大迫力で小さな温泉町にちょっとした大恐竜展なのも凄いわ、2階の展示も引き続き恐竜の様で段々と地層の話と言うブラタモリを想起する内容になり石炭へ。石炭も植物の化石だから良いのか、館内に3点ほど展示してある巨大な石炭塊の他に産出地ごとの石炭標本が展示してありますが流石に素人じゃさっぱりだ。


 母方の祖父が鉱山専門学校出て北九州で鉱山技師をやっていたので存命なら違いを解説してくれたかも、父方の祖父はまさに常磐炭鉱の中にある小さな鉱山会社で監査役をやっていたそうで。そんな石炭一家である自分のルーツを探りに来たのに恐竜推しなのにちょっと違和感が、集客コンテンツとしては恐竜なのは解るが。そのまま進んで外に出ると六抗園と言う昭和天皇行幸の際に入抗した抗口と御製の碑を見学出来る公園へ、周囲に電気柵が巡らされてイノシシ注意の看板に変な緊張感漂う。

 屋内に戻りエレベータで1階に下りるのですが、ゆっくり降りて外の様子が音声付きで炭鉱の抗道に下りていく風になっている。そして模擬抗道、いきなり半裸の夫婦が石炭を掘っているマネキン人形がありほとんど山本作兵衛の世界。筑豊も常磐も一緒か、と言うよりも常磐炭鉱の場合石炭の鉱脈と温泉の湯脈が同じ場所なので熱かったらしい。売店で「常磐炭田エピソード100」と言う冊子を買いましたが、それを読むと勤務時間中実作業時間は2時間程度だったなんて話も。大分の別府金山も温泉の噴気でサウナ状態になり閉山したとかあったものね。

 戦後になるまでは褌・腰巻姿のマネキンが採炭しています、火気厳禁だの落盤事故が恐ろしいと言いつつも発破かけているのでそりゃ危険だよな。戦後は機械化が進んで抗夫も作業服姿になっていますがもう昭和40年代の話。先ほどの冊子を見ると杭の打ち方が間違っていて現場でこの向きで打ったら危ないとかツッコミが書いてある、博物館・資料館の展示ではよくある話か。そんな杭の打ち方について名称だけラベルが付いていますが見る人は少ない、丁寧に見るととんでもない情報量じゃないかな。
枠の解説
 模擬抗道を抜けると世話所と言う事務所に炭鉱住宅と共同炊事場が復元されている、祭や労働組合活動に温泉まで。こういう展示が見たかった、先ほどの冊子によると石炭を掘るのに温泉がジャマで流していたのを貯めたらスパリゾートハワイアンズが出来たとか何んとか、抗口跡をそのまま温泉施設にして作ったのが炭鉱の合理化案として通ったとか中々面白い本を入手しました。
労組の旗
 順路を終えると特別展でNASAのアポロ計画をやっている、サターンVロケットや月着陸船は昔売っていたプラモデルが展示してあって懐かしい。この施設はスタッフがアロハシャツ姿なのですが、大学生のグループに対して月の石の説明をする若い学芸員氏はやはり地質が専門の常勤なのだろうか?なんて事が気になる。宇宙服も普通の繊維をミシンで縫って仕立ててあって今更見るとこれで気密性とかあるのかね?旧ソ連の月面有人探査計画が面白かった。

 売店は恐竜グッズと地産品ばっかりでもっと炭鉱関連の資料を、買い求めた冊子位しか無いのが残念。筑豊や夕張は色々書籍も出ていますが常磐はそれと比べるとややマイナーで仕方ないのか、冊子を発刊した常磐炭田史研究会に期待するしかない。外に出ると駅の裏手に団地がありますが、これも炭鉱の設備だったのだろうかね。
塔が目印

いわき市石炭・化石館「ほるる」
https://www.sekitankasekikan.or.jp/ 
http://tankouisan.jp/


タグ:湯本
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