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お札と切手の博物館 (北区王子) [郷土博物館]

 先日王子駅前を通過したら駅前に国立印刷局の工場があり、こんな駅前にあるのか?と感心していたら博物館が併設してあったので行ってみた次第。すぐ近くの飛鳥山にも博物館が3つ有るので何とも文京エリアです、例によってアシは原付なのですが、JRの駅前に乗り捨てるのは流石に日曜日と言えど危険過ぎるのでどうしたもんか?と周りを見ると、同じく駅前にこんな物有るのか!?なゴルフ練習場前にコイン駐輪場が有ったので原付を停める。

 博物館入り口は明治通り沿いで自動ドアを抜けるといきなり展示室、しかも入場者はもれなく簡単なアンケートに記入しなければならない。印刷局の再雇用者だろうか?年配のスタッフが3人ほど詰めており、原版以外は撮影OKだそう。そう言う機密文書を展示しているから無人と言うワケにもいかないのか、展示のコンセプトはもう完全に「偽造とのたたかい」でして印刷技術と製紙技術に分けて偽造されない紙幣の作成方法を解説してある。
入り口
 とは言っても紙幣に限らずその時代の最先端偽造防止技術を駆使した文字通りの有価証券が展示してあり何故か満州鉄道の株券も、同じ物を祖父が戦争中に買って戦後紙くずになったのを保管してあったのですがもう叔母が捨てたかな?紙幣用の紙も海外では古繊維が原材料なのに対して日本は和紙の伝統的な材料であるこうぞ・みつまたなんですと。


 中央に偽造防止技術体験コーナーと言うのがあり子連れに大人気、小さい子を連れてこう言う博物館に来る若い親もいるので本当に孟母三遷だと思うよ。この体験コーナーは現用の紙幣に施された透かし彫りやホログラム技術を体験出来るのですが何と、紙幣は自前で用意しなければならない。幸い財布に千円札・五千円札・一万円札が入っていたので、紫外線を当てるとそれぞれ線が1本・2本・3本浮かび上がるのを確認しましたよ。スタッフの内1名が体験コーナーの担当らしくアレコレ教えてくれる、この人がいなければ多分素通りしていたかもしれない。

 階段手前に一億円の札束のレプリカがあり、持つようにやたらと勧めてくれるのですが、実は小中学校で行う租税教育と言う授業に何度か立ち会った事がありその時に同じ物を児童に触らせるので何度も持った事があります。国税庁のレプリカは少しオモチャっぽいけど、国立印刷局のレプリカは梱包材でグルグル巻きなので何だか分りませんね。材料は本物と同じという話ですがそれは租税教育の教材も同じだわ。
レプリカ
 2階では「明治の技術革新」と言う企画展をやっていたので上がってみる、すると階段上に現お札のモデルとなった人物がすりガラスにレリーフで描かれています。それを見て毎度思いますが樋口一葉は本当に何とかならなかったのか?千束稲荷神社の石像もそうだけれどもゴツ過ぎます、25歳で病没した薄幸の女流作家と言うより何か豪傑にしか見えないのだけれども。
樋口一葉
 特別展は半分を紙幣の技術革新ともう半分を世界の切手の紹介やパスポートに印紙に官報と行った国立印刷局が請け負う印刷物が紹介してあり、特別展と言ってもこの枠は固定みたいだね。紙幣は唐代の紙幣やイングランドの兌換紙幣から展示がしてあり、イングランド銀行券はアダム・スミスが国富論でクドクド論じていたところなのでコレか、と言う思いで見学、フランス革命政府が発行した紙幣も展示してありますが、フランスで最初に紙幣を発行したのはミシシッピ会社で有名なジョン・ローなんですと。日本の紙幣は江戸時代の藩札から明治維新直後に外国で印刷していた紙幣が先ずは紹介されています。

 国産紙幣の肖像画は和気清麻呂だの藤原鎌足だのちょっと懐かしい聖徳太子、聖徳太子の肖像を実は誰だか解らないとかネットで揶揄する人がいますが、それ言うと日本武尊だの武内宿禰なんて肖像画なのかどうかも解らない創作なんじゃ?基本印刷技術の話ですが被災した関東大震災直後と敗戦後には民間に委託して簡単な紙幣を便宜的に印刷したとか何とか。その他世界の紙幣として珍しいところで北朝鮮の5千ウォン紙幣やネットで有名な100兆(100,000,000,000,000)ジンバブエドル紙幣なんぞも展示。
ジンバブエドル
 切手コーナーは見ていて思わず逓信総合博物館て昔有ったけどまだ有るのかね?と思い出す展示内容でしたが、戦後の切手収集ブームの火付け役がグリコアーモンドチョコレートがパッケージの中に切手を同封した「世界の切手をあつめよう!」キャンペーンだとは知りませんでしたよ。最後にパスポートや印紙の印刷技術に混じって昭和64年1月7日の官報号外に元号を改める政令として翌日から平成と変わる旨が当時の竹下登総理名で公布されている物が展示されていて、これこそ歴史の生き証人だなと。

 王子の駅前ですし入場料は無料な上に、子供でも分かる展示の様でいて良く見ればかなり深度のあるマニアックな展示なので大人でも充分に楽しむ事が出来ます。

お札と切手の博物館
http://www.npb.go.jp/ja/museum/


タグ:王子
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