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湯道 [読書感想文]

 二週連続で雨の日曜日、スラムダンクの映画を観に行ったのですよ。昨年末公開の映画でしたが児童生徒の鑑賞料金を500円にした効果か劇場は小学生の大群とその引率係な親で満ちていました。それが騒がしいと言う事も無く皆映画に没入していてこちらもしっかり楽しむ事が出来ました。上映終了後に売店を覗くと「湯道」のパンフレットが売っていてそうだしまった、スラムダンクじゃなくてこちらを観るべきだったろう。とりあえずパンフレットだけ確保して一旦帰宅。

 では平日夕方の仕事帰りにでも観に行くかと思い調べたらもう朝の部しかないですね。2月末に上映開始でスラムダンクほど当たっている映画でもないので仕方ないか、それでも頑張って探し続けるとららぽーと横浜ならば18時20分の回があった。火曜日はランニングをしたので翌水曜日に予約したらTOHOシネマズの割引日だったようで1,200円でした、スラムダンクは1,900円だったのに。

 ららぽーと横浜と言えばJR横浜線の鴨居駅前ですが原付で行った方が早いので17時半目途に出かけるつもり。しかし水曜夕方の南関東は大気の状態が不安定で出がけに雨雲レーダーを見たらまさに鴨居駅上空に雨雲が頑張っています。職場を出たら雨がポツポツ降っているし中原街道大渋滞だし、港北区に入ったら本降りになってしまい混雑した歴博通りを急ぐもまさかの1時間以上かかってしまった。これは予告だけではなく本編冒頭も観れないかな。


 劇場到着が上映開始から15分後で映画は始まっていましたが乳児を産湯に浸からせるシーンだったので冒頭の本編前のシーンだったと思いたい。本編はいきなりモンモンの入った兄さんが他の客相手にイキり散らすシーンでこれはいけない。この銭湯紹介ブログでは敢えて書かないようにしていますが、実際問題彫り物の入った相客は普通にいます。しかし彼らも風呂屋にシノギに来ているのではなくてお風呂に入りに来ているので騒ぎを起こす事なんてまずないんですけどね。

 単独で来れば大人しいのですが親分子分でサウナに入ったりすると子分が目を光らせるのがちょっと煩わしい時もある。以前足立区の某銭湯でサウナの先客全員にモンモン入っていた時は何かと思いましたがその時はフロントでそれとなく警告してくれたのですよね、気にせず入りましたけど。おとなしいとは言え池袋にほど近い板橋区の某銭湯に組の構成員ほぼ全員来たんじゃないの?という時は貸し切り状態になってかなりマナー悪かったなとか風呂屋でのモンモンの人には語れてしまう自分。

 その辺りまで観てクリス・ハートってこんな顔していたんだと思うレベルで芸能人の顔を知らない私。ヒロイン役が橋本環奈だと言うのも途中で気付く始末だし。お風呂の映画なので2000年ごろまででしたら女優のヌードシーンも期待できたのでしょうけど、女湯の入浴担当は天童よしみだったり戸田恵子だったり吉行和子なので。実際の銭湯も常連さんと言うのは大体年配女性なのでその辺はリアルなのかなと、若い女湯の客は厚切りジェイソンのフィアンセ役の人位なのもまあそんなもんですよ。厚切りジェイソンの胸板が立派過ぎてそれが一番見ごたえあったかもしれない。

 キービジュアルが暖簾を旗風に持って小脇に木桶を抱えた男性なので真面目な映画ではないのはわかりますが事前情報ゼロで観に行ったのでサッパリ。タイトルの湯道が文字通りの芸事として劇中世界に存在しているのでバカバカしさ度の高い映画として気楽に観れば良いのか。銭湯のお客たちの人間模様として登場人物多めでこれがクライマックスに向けて舞台の銭湯に収れんするのかと思っていたらそうでも無かった。公衆浴場のアンチテーゼとして「源泉掛け流し」が登場するのですが映画上映中に二日市温泉でお湯の入替を年2回しかせずレジオネラ属菌わかせていた施設のニュースが話題になったので、映画の意図とは別に保健所の指導で毎日お湯を入れ替える銭湯の方が良いと思えてします。屋号に「温泉」が入る温泉ではない公衆浴場は関西では実は珍しくも無いのです。

 と言う筋はさておき、この「まるきん温泉」なる公衆浴場のセットがとても良かった。関東風でも関西風でもないと言うコンセプトだそうですが、エントランスから脱衣場までは関東風で浴室が関西かな?と言っても私は西の風呂屋って京都と広島で入った事が無いです。東京にある/あった関西式銭湯は浴室中央に小判型の浴槽があるので関西風。しかし奥に富士山の絵がある、と言っても関東で一般的なペンキ絵ではなくタイル画になっているのは面白い。カランも壁に後付けした水道管に直接水栓が取り付けてあって竣工時にはカランが無かった古い施設なんだなと言うのが分かるのがとても良いです。

 脱衣場は公道側から丸見えなので大きな暖簾で隠すと言うのは昔の風呂屋でも時々あってとっくの昔に廃業した木造銭湯で何か所か見た事があります。今なら女湯側は番台の傍らにパーティションを置いて中が覗かれない様にしてあるのがほとんど。脱衣場の横長扉のロッカーも戦前に建てられた銭湯ならよく見たんだけど今じゃ滅多にお目にかかりませんね。映画セットなのであまり天井は映りませんが宮造りの東京式ではないから格天井ではないと思う。壁面のガラス窓がが縦縞タイプのすりガラスなのも完璧でした、今時手に入るのかな?

 そして何よりもタイル、正面壁面の亀甲型五角形タイルは浴室の床タイルで何か所か見た記憶があります。タイルは本当によく出来ていて、浴槽の細かい正方形タイルや床の模様になったタイル。床のタイルは修繕で所々面白みのない白いタイルに交換されているとリアルだったかな。壁面タイルも良い感じだしこれで排水溝に凹型タイルが入っていたら最高だった、と思ったら排水溝が無くて床にそのまま湯が流れ広がる施設か。20年近く昔に廃業した千歳船橋の船橋湯がそんなだったよな。とか自分がお風呂マニアとしてタイル好きなのかもしれないと自覚してしまった。ちょっと話よりもキャストよりもセットに見入ってしまいました、食堂(寺島進も夏木マリ)に氷で冷やす冷蔵庫が置いてあったのも見逃してないよ。濱田岳が羽織っている帆布製の半纏、私も同じの持っています。香港製ですが暖かいし格好良いですよ。

湯道
https://yudo-movie.jp/


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