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千葉県立中央博物館 (千葉市中央区青葉町) [郷土博物館]

 今年の大河ドラマが面白いので前に行った亥鼻城の博物館に行って千葉常胤や上総介広常についてお勉強。帰りにふと県立博物館が先ほど前を通過した青葉の森公園にあると思い至って博物館のハシゴをする事に。しかし流石は県立博物館でして15時に行って閉館時刻の16時半までに鑑賞出来る広さじゃなかった、よって翌週にリベンジ見学をしました。以前行った「埼玉県立歴史と民俗の博物館」とまったく同じパターンでして、やはり県立博物館は最低でも見学に半日は要しますね。

 北口駐車場にバイクを停める、高速の松ヶ丘ICから西口駐車場ならばすぐですがそちらに停めると博物館へは公園を横断しなければならない。入り口で検温と連絡先を書いてから左手の受付で300円を支払う、JAF割は使えません。なんと展示の8割位が自然科学でしかも順路としては先、歴史や民俗をじっくりと見たいなら前半は端折るしかないな。と思いましたがそれもシャクだったので2週続けて訪問した次第。
全景
 そんな理由でちゃんと順序通り見学、最初の地学コーナーは鋸山の採石場の岩盤を模した壁面があります。ブラタモリでお馴染みな中央構造線とか興味が無いなりに楽しめる展示になっていると言う。最近の千葉のトピックであるチバニアンについては動画で解説する力の入れようですがその脇に千葉石とか言う物もある、千葉石の原子記号を表記してあるのは県内の小中学校向け展示にしては専門的過ぎると思われますが地学を本格的に学ぶ高校生が授業の一環で来る事はあるのかそれとも大学生向けなのか。


 その先には古代サメの歯の化石からナウマンゾウの全身骨格と小中学生が好きそうな展示に。しかし何度も書きますが県立博物館の展示物は複製が多くてナウマンゾウもレプリカだ、クジラの顎の骨は本物だけど。国立博物館までいくとほぼ複製品しか展示しておらず逆に市区町村の博物館では惜しげもなく本物を展示してあるのは、自治体では学習目的と言うよりも地元のお宝を住民に見せたいのかもしれない。房総半島の天然ガスや地震による地形の隆起から防災の話まで、私は詳しくはありませんが展示は面白いです。
歴史を感じるマンガイラスト
 その先は千葉県内の生物と言う事で住宅や商店街を模した展示のそこここに身近な生き物がいると言う展示なのですが、そうなると当然いるのは衛生害虫や不快害虫と言われる昆虫類にドバトやカラスになってしまいどうなのよ?その傾向はエスカレートして巨大芋虫のはく製やら駆除した巨大スズメバチの巣やら一部の人から生理的な嫌悪を受けそうな展示が続く。小櫃川の生物が標本にしてあり実は千葉県で一番長い川なんだとか。君津の小櫃川周辺に隔週で通って勝手にシンパシーを感じているのでこれは良かった。

 そんな展示ですから水田にいるサギのはく製やら鹿その他大方哺乳類のはく製まで並んでいると言う。鹿のはく製に「病気や事故で死んだ動物を標本にしたものです」とわざわざ断り書きが必要なご時世なのか、かと思うと蛇の標本はいずれも獲物を丸のみにしようとする瞬間の猟奇的な物ばかりでこれは学芸員さんの趣味が問題なんじゃないか?と思う。

 更に海洋展示室へ、こちらも千葉の海に拘っているなと言う事で標本多数。千葉と言えばイワシなのでイワシの展示に力が入っていました。しかしこれをじっくり見るとなると歴史展示を捨てるか開館時刻に来ないと無理だわと2回ともかなり端折って見物。その先は千葉関係無い生物の分類展示でいきなりダーウィンとリンネの肖像画が飾ってあります。引き出しに標本が入っていて見学者が引っ張り出して自由に見る展示方法なのですがコロナ禍で利用禁止になっている。はく製と骨格標本の果てにクジラの骨格標本と壁面には昆虫の標本があり好きな人なら1日楽しいんじゃないだろうか?
展示の目玉
 更に奥には小動物を水槽で展示するスペース、千葉の博物館は何故水槽展示をやりたがるのか?大利根分館にもあったし。自然科学コーナーをようやくやっつけて、よし!歴史民俗コーナーだ!と突入すると何故かこちらだけ撮影禁止で何かと。正直展示物はほぼ複製品ばかりで資料的価値も無いので撮影しても良いのではなかろうか?自然科学の方は撮影禁止などと一切書かれていなかったのに。

 先ほどの地学コーナーで見た通りナウマンゾウがいたので先史時代からヒトが暮らしていたのが千葉ですから巨大な貝塚の剥ぎ取り標本が。この博物館は地層の剥ぎ取りが2つ3つ展示してあるという。レプリカ頭骨で縄文人と現代人の人相の違いを論じていたり。土器の展示ではミニチュア土器なる物がありこれは初めて見ました。石棒が男性器モチーフなのは女性器モチーフの土偶と対になる存在とかありこちらの学芸員さんの解説は他所では見ない内容です。

 解説と言えば平将門の乱に「天皇制の模倣で新しい国家を作ろうと言うのではなくそこに将門の限界があった」とかこれは個人的意見なのか昨今の通説なのか?と読んでいくと面白い事が色々書いてある。私の好きな物流に関しても図や表はありませんが古代の東海道や鎌倉時代の廻船についても触れていた、出来れば模型があるととても嬉しかったのですけど。唐突に笠森観音の模型があり帰ってから調べてみたら圏央道の市原鶴舞ICからすぐの場所にあったので後日観光に行ってしまったよ。

 物流好きな私としては利根川の東遷から利根川の高瀬舟から東京湾の櫓走船な押送船から明治期の通運丸まで模型が充実していたのは嬉しい。千葉の歴史を網羅しているので伊能忠敬から幕末の話まで拾っているのは良いとして、宗教の展示は他所では見た事が無かったのでこちらも興味深い。日蓮宗系の不受不施派だの上総新門徒派はキリシタン並みに弾圧されたって当時のカルト宗教だったのかね?近代から戦時中の話は他所の博物館と大体似てしまいますが戦後はもうちょっと丁寧に見れば良かった。

 そう急いだのは房総の歴史の先に自然と人間のかかわりと言う展示があったから。民族と自然科学が融合したような展示で面白かったのですが本当に時間が無かった。里山に人の手が入ると言うのは具体的にどんな状態かを写真で展示したり住宅地の自然を紹介したり。と言うのは先程の房総の生物と展示がかなり被るので、その辺のすり合わせはしないと水辺や人里近くの生物は3回登場している気がします。「漁師の一日」だの「アコウダイを釣ろうとする漁師の頭の中」は謎展示で面白かった。自然と環境と民族と言う3つのテーマでご飯3杯行けるのを一膳で出しちゃうと言うか。
里山保全の話
 冒頭に書いた「埼玉県立歴史と民俗の博物館」は歴史民俗限定でも半日コースでしたが、こちらは千葉の全てを網羅しようと言うので1日じゃ足りないのかもしれない。大体屋内展示だけではなく生態園で自然観察もしろと言う趣旨の施設ですから、ちゃんと見ようと思ったら半日コースかもしれない。

千葉県立中央博物館
http://www2.chiba-muse.or.jp/NATURAL/


タグ:千葉寺
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