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睦沢町立歴史民俗資料館 (千葉県長生郡睦沢町上之郷) [郷土博物館]

 2021年の1月に千葉県大多喜町の水田から旧海軍零式戦闘機のエンジン部品と20ミリ機銃が発見されて、それが6月26日から9月26日まで睦沢町立歴史民俗資料館で展示されているのですよ。睦沢町て何処?大多喜町で発見されたのだから大多喜町で展示すれば良いのに。この数年隔週で君津市の農産物直売場に通っていますがその前は大多喜町のわくわく広場と言う民間のスーパーに通っていたので大多喜ならば多分勝手がわかります。しかし大多喜町には県立の博物館はあれど町立博物館が無いから隣町展示になったのかね。

 地図検索をすると圏央道の茂原長南ICから一般道かな?と言っても勝手が分からないので家からカーナビに目的地登録して出発すると手前の市原鶴舞ICで降りろとな?いつも大多喜町のわくわく広場に向かう大多喜街道じゃないの、と思いきやすぐ県道148号へ左折。いきなりとんでもなく幅員の狭い道になりますがその先は千葉でありがちな幅員の充分にある県道になり148号線をひたすら進んで150号線に入ると目的地。施設よりもはるかに広い駐車場に車を停める。
駐車場より
 コンクリートの2階建てながら千鳥破風もある切妻屋根です、駐車場側に窓が無いのが不気味ですが収蔵品の保管の事を考えたらそれで良いのか。隣のゆうあい館側に入り口があるので廻ってから階段を上がる、扉を開けると未整理の収蔵品だろうか?神棚が無造作に通路脇に積み上げてあって何だかね。解体前の廃屋から回収したとかなのでしょうけど魂抜くとかしたのか気になる。奥のカウンターで氏名や連絡先を紙に書くのはこのコロナ禍ではすっかり当たり前になりました、1階奥が常設で2階が特別展ですと。


入り口
 ですので階段を上がる、壁面に郷土玩具らしい凧なぞが飾ってあるね。2階の奥側を布で仕切った内側が企画展の会場、8月15日に襲来した英国の艦上戦闘機迎撃に茂原の252航空隊から迎撃に飛び立って戦死した杉山上飛曹と増岡一飛曹のどちらかの乗機ではなかろうか?と言う前提で両名の遺品と今回の発掘品を中心にした展示です。英軍機パイロットの内フレッド・ホックレー中尉は15日に撃墜されて晩に殺害されたそう、8月15日と言えば玉音放送聞いて日本が敗戦した日なのですが千葉の太平洋岸では戦闘を続けていたとは知りませんでした。

 墜落した零戦は田んぼに突っ込んで爆発炎上、残骸は当時の地元民が撤去回収したのですが墜落の勢いで田んぼの深いところに埋まったエンジンと機銃は撤去される事なく令和まで埋まっていたと言う事。展示されたエンジンのシリンダは衝撃の強さを物語るようにひしゃげていますがピストンはそんなに損傷していない、機関銃弾の薬莢は爆発炎上時の熱で大体爆ぜていてそうなるのかと。今回の展示で一番の目玉と言うか大物な九九式二号四型20ミリ機関銃は機関部分が脱落して折れ曲がっていますが銃身部分は大体真っすぐ、撮影不可なのでじっくりと見る。

 終戦の日は戦闘も無く静かだった、と言う戦記物が多かったのですがある意味最前線の九十九里海岸では8月15日でも戦闘が続いたのだな。その他昭和20年2月や4月の戦闘で墜落した戦闘機の残骸も展示、ちょっとキャプションが残念だったのでエンジン部品なぞは例えば河口湖飛行館で旧海軍機の復元をしている皆様に監修を依頼すればもっと良かったんじゃないかな。

 企画展「太平洋戦争日本史上最大の歴史体験」だけではなく奥側、駐車場から見て正面の窓がなかった部分に町内古刹の仏像なぞも展示してあります。見ていると睦沢町内にある平安時代の仏像が何点か展示してあって大丈夫?この施設冷房の効きもアレで温度や湿度の管理が出来ているように見えないし、それならば元々あった仏閣に戻した方が良いんじゃないだろうか?羽蟻の喰い跡はそれほどひどくない風です。経験上市区町村立の博物館の方が古い物を無造作に展示してあるのでその意味ではここも典型ですが。

 階下に降りると事務所部分で詰めている役場の人がお昼を食べている、学芸員なのか普通に町役場の人なのかは不明。折角来たので1階奥の常設も見ないとね、事務所の奥に入ると囲炉裏を囲んで草鞋を編んだり繕い物をする老夫婦と井戸で水を汲む女性のマネキンがお出迎え。正月飾りや井戸の神様などの地域信仰に関する展示が多いのに説明が一切ないのはとても残念。なんと言うか未整理の展示品を一時保管しているだけにも見えて、そうなるとまだ新品が手に入りそうな七輪やラジエーターは展示品なのかどうなのか?

 奥に進むと民具中心の展示ですね、虫かごが沢山展示してあるので久留里の爪楊枝の様な特産品なのだろうなと思いましたが説明が一切ないのが本当に残念。モンペや股引と言った野良着の展示はキャプションがしっかりしているしヒルが這い上がるなんて苦労話も載っているのに。それと収集品の中に貧乏徳利がやたら有るのでこの界隈にも造り酒屋があったのか、常設は衣類と食べ物は若干説明がありましたが収集した民具を展示してあるだけです。展示物に民間信仰に関する物もあったし2階にあった平安時代の仏像などからするともっと歴史や民俗に関する展示が出来そうです、そちらに詳しい学芸員がいないのだろうけど。隣町ですが茂原長南IC近くに城跡もあるのだから歴史に関する展示も出来そうです。

 事務所前のチラシをチェックすると農産物直売所一覧が載っているので近くの道の駅へ行ってみる。道の駅むつざわ周辺はロードサイドショップが集まってちょっとした町になっています、直売場のつどいの市場はほぼ生鮮スーパーですがこちらで買い物は止めて普段通り君津の直売所へ行ってしまった。資料館近くのダイハツに東京では見なくなった宮型の霊柩車が停めてあったのもお値打ち。
霊柩車

睦沢町立歴史民俗資料館
https://www.town.mutsuzawa.chiba.jp/shisetsu/rekishiminzoku


タグ:上総一ノ宮
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