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府中市郷土の森博物館 (府中市南町) [郷土博物館]

 日曜日、天気予報の通りな荒天です。でも府中市郷土の森博物館に行きたいなと、気温がやや低いので裏地がメッシュな防水ウインドブレーカを羽織って原付に乗る。府中と言えば環八から甲州街道で向かっていましたが、地図を見ると川崎側に出て府中街道で向かった方が近そう。しかし、一般に神奈川とか多摩地区の道路インフラは23区内と比べて貧弱な事が多いので、距離としては近くても道のりとしては遠回りかもしれない。と思ったのですが道が狭いのは溝の口辺りまででその先はスイスイだった、時折雨に降られつつも是政橋を渡り郷土の森へ到着。
正面
 博物館手前の観光物産館で食事をしてから博物館へ、プラネタリウムは見ないので博物館のみの300円。プラネタリウム併設の郷土博物館と言うと「葛飾区郷土と天文の博物館」と中央区の「タイムドーム明石」がありますね、チケット購入後ゲートをくぐって入るとまあ大きな施設だ。郷土の森の隣に東京競馬場と競艇場があるので予算が潤沢なのだろうか?入ると右手に食事も出来る喫茶コーナーとミュージアムショップ、階段を上がったところが常設ですね。過去に23区内の施設で立派と思った事も有りましたがココと比べると比べ物にならない、府中市営ではなく都の施設じゃないだろうか?


 階段を上がると万燈が飾ってあり何かというと大國魂神社の「くらやみ祭」だそう、流石に府中市の祭りは知らないなあ。入って最初にくらやみ祭の文献があり、その奥の部屋がサラウンドシステムと3つのスクリーンでくらやみ祭の動画を見せるコーナー。車に乗った大太鼓と大きな神輿も展示してあり、現在使われている物は展示品よりも更に大きく数も増えているとか。例年4月30日より5月6日までと言う大型連休の最中に行われる行事だそうで本当に今までノーチェックだった、来年はカメラ持参で行ってみようかしら?
2階の常設と万燈
 その奥の間が府中市の歴史コーナー、府中と言う名の通り律令国家の国府が置かれていた場所なので、例えば関東大震災まで田畑や山林だった23区周辺部とか江戸時代以降の都市部だった中心部とは展示が全然違う。とは言え最初の先史時代は相変わらず土器や石器の展示が中心、縄文土器の紋様付け体験コーナーもある。石の矢じりの中に水晶を使った物が有るのは初めて見た、多摩川沿いで手に入るチャートに比べ黒曜石は府中から木曽や神津島に行って採取された物とか学芸員の人頑張っています。

 その縄文時代の大きなディオラマがありスケール細かすぎて、広大な武蔵野の森の中に2センチほどしかない人形が点在しているので何が何だか、ディオラマは国府と宿場町と計3つ有るのですが何れも細かすぎて。府中が中世以降に都市化しなかったから広大な遺跡がそのまま残っていたからなのでしょうけど。その国府のディオラマは上部にスクリーンがあり、30分に一度武蔵野国から夫が西国に防人に行く動画を上映しています。動画は板碑の展示コーナーにもあり新田義貞と鎌倉幕府軍との戦を解説したりで本当に市立の施設なのか?

 江戸時代になると甲州街道の宿場町となり古代の国府としての地位が無くなるんですが、それでも宿場としての馬の準備の流しっぷりがね。これが23区周辺地域だとそれが如何に農村の負担になったか?とか農業特産品の紹介とか一次産業中心の展示になるのですがその辺ほぼ無いね、逆に広大な武蔵野の里での一次産業は何をしていたのか気になる。何せ杉並区がその名の通り杉林で林業が盛んだったり、世田谷区が上水が整備されるまでただの荒れ野だったりとこう言う施設に来ると近世の事でも知らないものだなと感じる事が多いので。やはり府中は土器や石器の時代から国府が置かれていた時代が一番重要で力の入れ方も違う、何処にでもある戦時中の暮らしなんぞ簡単でむしろ戦後の都市化が進む過程の展示の方が丁寧だったかな。

 常設の奥には企画展の「東京最古の旧石器」と言うのをやっていたのですが、どうもこれだけ郷土博物館を廻っても石器はあんまり興味が無いです、土器は段々と興味が出てきたけど。ただ「現生人類の現代人的行動」と言うかなり専門的な言い回し、原人や旧人と言った現ヒトとは種の違う人類には無い現代人独特の行動パターンが有るんだそうで、こう言うのが面白い。私の興味は低いが、こちらの学芸員さん達の興味と情熱の高さが伝わってくる展示は好きです。

 そして私が行った日が最終日でしたが1階で「水とともにくらしたむかし」と言う簡単な収蔵品中心の展示がされていいました、ただその展示が古い洗濯機だったり木製の鉄砲風呂だったりと私世代からすると日用品だった時代を知っている道具類が多くてショックだったわ。ミュージアムショップを少し見てから屋外の移築建築物をざっと見学、府中宿の大店は宿場のミニチュアにもあったわ。役場と郵便局を見学して時間切れ、奥に屋敷門があったのは見たかった。屋敷門て格で形や大きさが決まっているので体系的に勉強したら絶対に面白そうです。公立の施設らしく学校教育で利用する前提でありながらも、大人向けでもあると言うマニアックな展示でとにかく広い。施設の見学なら半日ですが公園で過ごすなら丸一日いても良い施設。
旧役場

府中市郷土の森博物館
http://www.fuchu-cpf.or.jp/museum/


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