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世田谷区立郷土資料館 (世田谷区世田谷) [郷土博物館]

 日曜日、朝のNHK日曜美術館で土偶や土器を採り上げていて國學院大學博物館を紹介していたので見に行こうかなと思いました。しかし、この数日来の酷暑で冷房依存の生活が続いて調子が悪くなったのと、昼過ぎまでそんな体調でも大蔵総合運動場の屋内プールで泳いでいたのです。泳いだら疲れ切ってぐったりしたのと体調がやはり良くないので渋谷の國學院は諦めよう、以前に寄ったら臨時休業だった世田谷区立の郷土資料館が近いのでそちらに行こうか。

 世田谷通りを上って先日行った天狗湯の前を通過して世田谷通りの一本裏手にあるボロ市通りへ、そのボロ市通りのひときわ木が茂って鬱蒼としている場所が世田谷代官屋敷。真向かいに世田谷信用金庫の本店があり左手に駐車場、守衛の人に原付は何処に停めれば良いか聞くと奥の屋根付き部分で良いとか。この暑いのに郷土資料館へ来ようと言う酔狂な人間は滅多にいないので遠慮なく停めさせていただく。
正面
 鬱蒼としているだけあって木に囲まれた中の代官屋敷を左手に見つつ通路を進むと屋外に板碑や庚申塔が無造作に展示してあるけど、苔むして欠損した狐の石像とか首のない地蔵菩薩とか不気味系が揃っているのはどう言った趣味なのか。明るくて小奇麗な郷土資料館前に並べてあるので怖くはありませんがどう言う趣味何だか、その奥に入り口があり左手が郷土資料館で右手は集会室。入場無料ですが誰かが詰めているワケでもなく、入り口付近にそのまましおりになるアンケート用紙があるだけ。


 1階部分は図書資料が並んだ閲覧室になっていて、書架が5~6列並んでいるけれども世田谷区関連は手前の2列程度でして、奥は全国の民族関連本や他所の郷土博物館の定期刊行物が並べてあるだけ。区内の研究本やら同業者組合の周年記念誌を期待したのですがそう言うのは無くて残念、書架の手前に玉川上水の木製の大きな樋があって興味深く検分。これが古代ローマなら石なのだけれども日本人は木造文化なのだね、大きな物でしてコレは世田谷区から江戸市中まで配管したのもかなり大変だったろうに。
玉川上水の木樋
 1階には木樋と大型の炉体土器があるばかりなので2階へ上がる、常設は各地の特徴が出て面白いところなのですが、世田谷区の場合は旧石器時代から古墳時代にかけて主に多摩川沿いに古墳や横穴群があった事。それと現九品仏浄真寺の奥沢城址や豪徳寺の世田谷城址に代表される戦国時代と、江戸時代には彦根藩井伊氏の所領だったとか。なので黒船来航時や桜田門外の変なんぞも世田谷区との関連性が有ったとか、逆に言うとそれ以外の時期には農村地帯なだけだったとか。農業用水が乏しかった為江戸時代でも開墾されずに荒れ地のままだった地域が広がっていたり、上記の玉川上水の水を少し分けて貰ったりでようやく蔬菜類の栽培がされていたとか何とか。

 とか総括しなくても、土器の展示が充実している上に他所の区の様にレプリカでもないし破片を貼り合わせて何とか復元したと言うよりも程度の良い状態で出土しているので楽しい。と言うよりも方々の郷土博物館を見て廻ってあまり興味の無かった土器や土偶に段々と関心が向いて来たと言うか。祭祀用の石製模造品と言うのは初めて見たので面白かったけど解説が簡単過ぎる、土師器の器は良く見ますが釉薬のかかった須恵器が展示してあるのは恐らく初めて見たような気がする。
縄文土器
 そんな具合に半周して、土器の展示場所から吹き抜けを通して反対側に見えた藁製の龍は何の事は無い奥澤神社の1/2サイズの龍だった。毎年大蛇のお練りで7丁目まである奥沢町内をグルグル廻るアレだったか、小さいから解らなかったけれども下に江戸時代の風俗で大蛇のお練りを再現していたり。江戸時代は上述の通り農村だけれども流行りの神社仏閣がぼちぼちあって賑わっていたとか。彦根藩所領ですが毛利家の抱屋敷があり、吉田松蔭の遺骸が南千住の回向院から抱屋敷に改葬されたのが縁でその場所が松蔭神社になったと言うのは知りませんでした。その下に錆びたゲベール銃が置いてあるけれども、鉄砲で手入れが良いのは大多喜城で見た位で大体は錆びるに任せてあるか。
奥沢の大蛇
 最後は明治維新後の近代なんだけれども、かなり簡単。通常は昭和の復元家屋とかあるのに、と言うのは余所の郷土博物館は児童向けの施設の部分が大きいのだけれども世田谷区立郷土資料館はあまり小中学生を意識していない大人向けの展示だと思う。昭和13年の東急線沿線地図ではもう雪が谷大塚から奥沢への線路がもう無いのか。戦災焼失地図は渋谷区との境付近が少し焼けた位で畑にそりゃ爆弾は落とさないか、23区全体の焼失区域地図を見ると隣の大田区は20年四月の城南大空襲で、渋谷区は5月の山手大空襲で焼かれたのに。

 特別展示室はホタル、特別展は例年7月にやると言う「せたがやホタル祭りとサギ草市」と連動した簡単な企画展が。ざっと見て暑い外に出て折角なので代官屋敷も見学、ボロ市通り側から見ると締切りふうでしたがちゃんと戸を開けて風を入れている。これでボランティアの老人でも数名詰めさせて囲炉裏に火を起こさせておけば傷まないのに、日常的に人の出入りがあれば板の間もからぶきしようか?と言う気持ちになるのにね。井戸に何故かドローンが括りつけてあったり、疲れていたので休みつつ見学したので2時間近くいましたがそこまで時間のかかる施設でもないね。

世田谷区立郷土資料館
http://www.city.setagaya.lg.jp/shisetsu/1213/1265/d00138265.html


タグ:上町 世田谷
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